純粋正義への架橋23/チャオ
かといって、真っ暗な海の傍らで「夜と霧」を枕に寝そべる僕の体験は誰にも計れない。目を凝らせば、友達の騒ぐ姿が見える。いざとなれば、僕もダッシュでその中へ行ける。大声で、花火を手に取ればいい。それをしようがしまいが、どちらでもいい。その幸福の決定権は僕にゆだねられている。
もし、僕が花火を手に取ることで、女の子と仲良くなれる運命ができるなら、僕はそれを選ぶだろう。もし、そのまま寝そべることで、女の子と仲良くなれるなら、僕は寝そべるだろう。でも、未来はわからない。その可能性を考えることが、きっと、内的体験なのだ。
哲学、科学、数学、なんでもいい。学問なんてものは全部、僕らの可能性を明
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