ニューアンティークバード/千月 話子
 
輝かせ
静かに終わりを告げ
西洋からやって来た名も知らぬ小鳥が
絡まるように 2羽
小さな窓から逃亡した(あるいは駆け落ちというのか)


徐々に寄り添っていた2つの羽毛も
また 密かに純愛していたのだろう
そして アンティークショップの心地良い時代を経て
この 小さな部屋で完結する


生きているものだけが生きているとは限らない世界を知った
窓の外では何も変わりはしないのだけれど
少しばかり顔を上にあげて
目を閉じ 耳を澄ませる
時の流れる音が聞こえるかもしれない
一番愛していた頃の あの


ランプシェードの木の枝に知らぬ間に巣が作られて
私は何度繰
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