リッツ/カンチェルスキス
生身の夜だ
おれは背中のニキビをつぶす
コンビニで二時間過ごせるあの女を手放した
ひどいいびきをかくくせに脚はきれいだった
といってもおれはそんなに脚に目がないってわけじゃない
みんなといるときはおれをからかい
一人でいるときおれの話に頷いた
椅子から立ち上がるしぐさは
まるで太陽の移動のようだった
パッと閃いて
冷静さが信条のおれも
そのときだけは細胞を総動員させて
動揺した
おれを見た目以上にナイーブにさせた
繰り返し思い出すのは
脚を開いたときの腿の内側の白さだ
そこに頬をつ
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