リッツ/カンチェルスキス
をつけてから
おまえの言うとおりに湿らせた
激しい心電図のリズムで
死に向かいつつある砂粒のような時間を
一つずつ拾い集めていった
とにかく
誰にでもあるものが
おまえにもあったけど
そしておれも誰にでもあるものしかなかったけど
誰にもないものを一瞬で創造することができた
そしてそれは一瞬で消えた
消えればまたつくろうとする
そうしておれたちは何とか
つながっていた
観覧車が回り
日曜日の午後も晴れていて
はしゃいでる人びとが
死人のようにしか見えなかった
絶叫マシンで叫んでる人の声にも
何かの感情を見出
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