大停電の夜に/かいぶつ
を聞く
その三つだった
僕はもっぱらラジオだった
アナログチューニング式の
ポータブルラジオを枕元に置いて
AMの周波数を1303hzに合わせる
特に夢中になって聞いていたのは
木曜日の深夜1:00‐3:00
パーソナリティは
テレビでもおなじみのあの人
元々ファンだったのだが
彼のラジオを聞くようになってから
より一層、好きになった
ラジオ局のマイクに向かう彼は
テレビのように遠い存在ではなく
自然体であり、とても僕たちに
近しい存在だった
そして彼自身も僕らリスナーの存在や想いを
親密に感じてくれていた
僕の価値観ってやつのほとんどは
親にば
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