満足厳禁/大村 浩一
ナマ言葉という幻想に満足しない
私たち現代詩の言葉はそもそも塵溜(はきだめ)だ ※1
1907年8月川路柳虹さんが書いてしまったことば
「そこにも絶えぬ苦しみの世界があって
呻(うめ)くもの死するもの、秒刻に
かぎりも知れぬ生命の苦悶を現(げん)し、
闘つてゆく悲哀(かなしみ)がさもあるらしく、
をりをりは悪臭にまじる蟲けらが
種々のをたけび、泣きごえもきかれる。」
と書き 帝国文学から「実に詩以下の、詩のようなものばかりだ。」
とあざけられた詩がいまの現代詩の始まり
振り返ればやりきれない量産型J-POPが
「ニューミュージック」として地上に
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