研究「緑川びの」(2)/生田 稔
 
つまり勝手なのである。そしてそのような現実が憐れであるのである。詩を批評しながら時折思う。分解し解析することは、詩の鑑賞にはつながらない。詩は読者にとっていいか悪いか、気に入るか気に入らないかのどちらかだ。だが批評者に持ちあげられれば、だぜん輝くのが作品に違いない。いい詩です、美しい詩です、などというコメントがたくさんある詩はいいかも。だが大衆は利用されやすい。でも緑川詩は、いつも一つの主張を打ちだす独特な技巧による訴える詩である。





雨模様死景色
緑川 ぴの

おいらは死にたい
死にたいよ

ネクタイで首を
吊ろうと思ったが
何故かおいらはクールビス

 
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