研究「緑川びの」(2)/生田 稔
みる
出会ったばかりの
見知らぬ
人と
見知らぬ
人が
見知らぬ
場所で
お陀仏しても
生きるも勝手
死ぬも勝手
そんな勝手は
自分勝手と
したり顔した連中に
説教口調で
切り捨てられても
生きるも勝手
死ぬも勝手
勝手憐は倫理的主題を持っている。憐とは作者の憐に違いない。そうきめつけると、もうそれ以上踏み込む余地はない。それほど一見すると単純な詩である。
したり顔した連中に
説教口調で
切り捨てられても
ここに作者の独特な非凡さがあるように思える。あっさり片付けはできないのですよと作者はいう。でも死ぬことはその人の自由、つま
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