研究「緑川びの」/生田 稔
現を削除された。だけどそのその表現ほどそれまでとその後の緑川さんをよくあらわしているといったら失礼だろうか。
前置きはそのくらいで、緑川詩は非常に多く、多彩で深い。どちらかといえば小説家になられたほうが向いているぐらいの詩が多い。でもやっぱり彼女は詩人である。小説家になったって、これほど人気が出たかどうか。
3篇づつ詩評してみることにした。
死想
緑川 ぴの
思想が消え去った
世の中で
金の重さだけが
身にしみる
生の果てに迎える
死でさえも
路上で死に絶える者と
大学病院で手厚く
看取られる者がいる
同じ死であっても
同じ死では無い
無縁仏の墓石の
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