呆日/ヨルノテガム
 
捲りも差しも番手戦も器用にこなし、次も、次のレースでも
5番車のイチゴ選手が勝ち上がるのだった
明日の決勝はイチゴばかりが並ぶことになるなァと
さらに予想もつかない展開に頭を抱え込んでいる、と。

先生、今日する仕事終わったんで失礼しま―すと
綾瀬クンの声と顔がする あ、そう キミもせっかく
持ってきたイチゴ食べてったらどうだい?
一応声をかけてみると、イチゴなんて持って来てませんよ、
何、寝ぼけてるんですか、わたし、こう見えて酒飲みなんですから
それよりウニ瓶と塩辛の瓶詰め要らないなら貰って帰りますよ、
ネ、アリガトウ と遥か夕日を待たずにスタコラ帰ってしまった
徹夜明け
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