オーキュペテーとケライノー/木屋 亞万
 

オーキュペテーは魚のような足で空を泳いでいるように見えた
しばらくして彼女に羽があるのに気付いた、彼女は鳥だった、彼女はずっと沈黙を貫いていた、
その代わり彼女の視線は私を捉え、絶対に離すことはなかった
「彼女たちはつむじ風なんだ、君のところでも風がぐるぐると砂を弄んだりするかい?」
こっちでは腹黒い男が無垢な女を弄んだりすることがある、その逆もね
つむじ風は落ち葉と逢引しようとして、すぐに壊れていくのをたまに目にする、
そっちはどう?
そんな風なことを心の中で唱える、オーキュペテーを見つめながら


いつか私がギリシャのクレタ島に行くことができたとしても私と彼が出会うことは
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