覚えていない記憶のことを/因子
 
いないのに、毎日みんなとあそんでたのしいわたし!を母にみせて、たのしかったのよかったね、たのしかったよと、ニコニコしていたように思う。
私の世界には、わたしと、うそっぱちの神様と、母親しかいなかったのだ。
(カトリック系の幼稚園だったけれど、イエズスさまの偉業の数々があまりに現実離れしているので、ちいさな私はキリストという人物はフィクションなんだと思っていた。)
だけどそんな記憶も曖昧なので、もしかしたら私は友達がたくさんいてよくしゃべるいい子だったのかもしれない。
それで、おみずがざばーとなったのを覚えていたのも本当なのかもしれない。
なんにもわからないのだ。
母が言う記
[次のページ]
戻る   Point(2)