生かされていることへの感謝としての宗教/レヴィナスの宗教哲学−「存在の彼方へ」を読んでみる16/もぐもぐ
 
はなく非国民である。相手はアウトカーストであり人間ならざるものである。最も単純に言えば、「相手は味方ではなく敵である」。)
いやまだ飛躍があるかもしれない。「責任」には、「殺すな」以外にも、「生かせ」という命令があった。同族は、生かさなければならないのであろうか。「顔」は、記憶以前の私と同じように、外部の諸力(自然/他者)に無条件的に曝されているものである。「顔」は、それが自らを意識していない、無防備なものである限りにおいて、常に傷つき、死ぬ危険に曝されている。傷つき、死ぬ危険に曝された存在を目の前にした時の私の反応は、果たしてどのようなものであろうか。
私の反応は、その時々で区々であろう。そ
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