ミクロ分析/木屋 亞万
替わるというのも十分にアリだった)
掃除道具箱に押し込められて
扉を壁の方へ回転され、いくつもの机で押されたときに
そのまま呼吸困難と圧迫感で死んでもよかった
下校時に鞄が無くなっていようが
上靴が木の枝に引っかかっていようが
もう気にすることすらできないくらい
陽子はわたしに怒号を送り続けていた
新しい真っ白のスニーカーを買っても
新しい紺色の通学鞄を買っても
それはわたしに費やされる前に消えてしまう
わたしは包丁を買おう
返り血対策に量産店の服を買おう
逃走用の単車を盗む技術を身につけて
新しく自分を受け入れてくれる土地を調べる地図を買おう
そう思った
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