葉女/木屋 亞万
ートを壊されていました
あの子はまだ自分の血筋に、自分の能力に気付いていないのです
私が悪かったのです、そこをたまたまあなた達に見られてしまいました
私たちは雪女のように人を凍死させたり
山女のように血を吸って人を殺したりはしません
ただ血液が透明で、陽光を人より多く求めるだけなのです
綺麗な水と日当たりの良い場所さえあれば私たちは誰も襲いはしません
その辺の植物と変わりません、あなた方のような人間と同じです
「だから、くれぐれも私たち葉女の事は秘密にしておいてください」
と、女は語気を強めて言った
二人のサラリーマンは女の澄んだ目に見入るように深く頷いた
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