青木そうすけ≦プル式というカテゴライズ/プル式
自由な翼で空を飛んだ
だけれどきっと男の肩に留まった
鳥は空を男は鳥を必要とした
それでも鳥はきっと男の部屋に
男はきっと鳥にご馳走を
二人で朝まで言葉のない話をした
今日の事や明日の事やそれから
鳥が帰らなくなってひと月が過ぎた
男は窓をいつも開けて待っていた
本当は知っていた
それでも構わなかった
男は鳥を必要としていた
ある晴れた日
男は久しぶりに散歩をした
小鳥を拾ったあの道を歩いた
足をとめた男の肩に鳥が留まった
そうしてまた飛び立っていった
男は走った
待ってくれ、待ってくれ
そう叫びながら走った
もう少し、もう一度
そう叫びな
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