子守唄/悠詩
腰掛ける
透明な罪を傍らに携えて
「ただいてくれるだけでいい」
という慰みの
爛れ崩れていく氷点下
−(そばにいてあげるから)
−(温もりを分けてあげる)
爛れ発酵したアルコールは
わだかまり生まれ変わり
意識を蝕む灼熱
人肌を奪う気化熱
氷の少年と存在悪 chilled child killed guild
生まれ変わるときには子供になれますように
廃れていく心が遠くに離れていくように
真っ黒に澄み渡る雪のシルエットの中で
宙吊りにされた心がわずかに揺れる
右心室の片隅に
二重螺旋の紡いだ鍵穴
「ぼくら互いにねじれの位置にあるんだ
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