ナトリウム色の蝉/滝沢勇一
を浮かせていたならそれはしんだ証拠、腹は白に近い銀色
半分の蝉の死骸、飴色の昆虫粉
南部鉄器製の風鈴、ゆれて鳴る高音
ゆれる
ゆれる
勝手な話だが、実に勝手な話だが
夏の半そでの白い制服のまま、群青の深夜からオレンジ色の明け方にネオンイエローと黒の工事現場色ロープでくび吊って死んだ3つ違いの小麦色のいもうとのゆれを思い出す。
スクール水着型に白い肌小麦色の首
にのうで指先太ももあし
あさの透明な青白いひかりに透けて硬い白い乳房とピンク色の乳首が透ける
夕涼みの午後と同じ硬くて白くてピンク色
夕涼みの午後、いもうとは寝ていてひとの濃い体温の匂いがした。
嘘です。
いもうとな
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