宵闇、半端な色味の懐かしい影と紛れ込んだゴブリンの鋭利な指先/ホロウ・シカエルボク
しれない)なんとなく俺はそんなことを考える…奥底にあるものが放つ臭いなどだいたいそういう気持ちを呼び起こすものさ、思い出してはならない、だったら思い出さないとでも言うのかね?あれはきっと深夜の光景だ…俺は粘土細工のような目鼻立ちの無い形だけの生徒になって彼女のもとに居たのだ、そこでおいたをして彼女に叩き潰された、叩き潰されて…蠅のように終わったのだ、陰鬱な真夜中の運動場から戻ってきたばかりのあの…長い廊下で…もう一人居た、俺と一緒に殺された…顔の無い子供…記憶さ、ただの曖昧な記憶なんだ…死ねるやつから死んで、死ねるやつから死んで、儀式のように終わる幻想の時間、あの夜あの時、あの空間は幼い俺の頭を叩
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