宵闇、半端な色味の懐かしい影と紛れ込んだゴブリンの鋭利な指先/ホロウ・シカエルボク
けのやり過ごす暮れ方だから…同じ姿勢のままで居過ぎて脚に痺れが走る、痛むがいい、痛むがいいさ、宿主を殺す寄生虫みたいに際限なく痛むがいい…どうせ俺はお前のことなど忘れてしまうから…忘れてしまう痛みなど何度繰り返したって哀しみに変わったりなどしない
長い廊下の幻想が半端なまどろみに犯される脳裏に影を伸ばしている、見知ったことのない学び舎の光景…誰の記憶がそれを俺に語るのか?長い廊下の先には誰かの影がある、でも俺はその影を追うことは無いのだ、それはきっと俺の記憶の中に居る誰かではないから…それはとても身体の細い女のようなシルエットだ、激しい逆光のもとに居て詳しい成立ちは少しも掴むことが出来ない…ほん
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