ぼろぼろのつばさ 4/青色銀河団
 


[夜は、ちいさな空が、]

夜は、
ちいさな空が、
火のように
燃える。
わたしは、
その
ちいさな
燃えさし。
夜、ひとりになると
わたしのなかで
燃える
ちいさな空を
くじら雲が
飛んでゆく。
その
はるかな
はるかな
行き先。
夜、
ひとりの部屋で。




[黄昏のおわりの瞬きに]

1
黄昏のおわりの瞬きに、大いなる怒りの光を帯びた星
雲が交差しあう天蓋にむかい、傷ついた男たちが大声で
呼びかける。その声に応じて晴れてゆく天空には、たえ
ずうつくしくしみわたる遠い霧のような
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