君の背中に追いつかない/秋桜優紀
らない。病気の辛さは、悔しさは、病気になってみないと気付けない。表面上はわかったつもりでも、根本的なところでは決して交わらない。
あれから二ヶ月が過ぎて、クラスメイトからのお見舞いは、格段に減った。もう、誰かが一ヶ月に一度来てくれれば良い方かというくらいにまでなっている。そんな人たちが作ってくれる千羽鶴と、今の私の気持ちを顕在化した千羽鶴。どちらが強いかと問われれば、答えは明白だ。
「よっしゃ、できた!」
悠人の叫びで我に返る。
「何だよ、お姉ちゃん。まだ全然できてないじゃん」
悠人は不細工な二羽の折り鶴を、得意そうに私に突きつける。
「俺はほら、もう二羽」
「これ、頭折ってある
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