三拍子が変拍子(耐えがたい悪臭のワルツ)/ホロウ・シカエルボク
 

カラスの首にリードを結んでお座りを教えている貴婦人がいた
真紅のイブニングドレスはバキュームカーから引っぱり出してきたような臭いがした
カラスは頑として彼女の言うことを聞かなかった
糞の臭いにうんざりしているように見えた
「団結などもう幻想なんだ」と
額の山脈を叩きながらジョン・メリックが言った


生温い血を流しながら踊ろう
仕組まれた予言を信じて髪を逆立てるアナキストの間抜けを笑おう
質の悪いシェイクスピアの猿真似ばかりの詩人を笑おう
未来の無い世界ほど毅然と胸を張るものだ
エンディングに向かってひとりふたりと突っ伏してゆく演者たち
投げ出さ
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