「オルゴール」 (リレー小説・三題噺)/佐藤犀星
を刻む音が、私の意識を引き戻した。
足もとを見ると、私たちのオルゴールが止まっていた。たぶん壊れてしまったんだろう。
なぜこんな手紙を残したのか。
なぜこんなふうに隠されていたのか。
そんなことはどうだっていい。
「ねえ」
私はささやく。
「この手紙。彼女にも、とどけてあげましょう?」
止まったはずの時間が、また、動き出す。(モリ・3回目)
完
{引用=
○アナザーストーリ by肉欲棒太郎
手紙を読み、私は気を失った。何時間、意識を失くしていたのだろう。気づくと、そこは砂漠だった。砂と、闇に浮かぶ月、眼前には、それしか無かっ
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