「オルゴール」 (リレー小説・三題噺)/佐藤犀星
かった。
「ってか、眠いっす俺も」、そう聴こえてきて、私は、ハッと後ろを見た。
見知らぬ坊主頭の男。
「そそ、新しいでしょ」そう男が言って、頭の刺青を見せてきた
11192。数字だけが並んでいた
11192。この数字の意味を問いただす。
「今の西暦だ」
私は、愕然とした。11192年。
ここは地球なのか。なぜ、私は、生きているのか。頭が真っ白になっていると、キーーンという音がした。
酷い頭痛だ。
眼を閉じる。
意識の中、一通の手紙が泳いでいる
彼女の声がする。
「貴方は、パラレルワールドに迷い込んだの」
ごめん、やっぱ眠いわ。
そう、私がつぶやくと、彼女の声が消えた。
ふう、やっぱ頭痛には、バファリンだな。
ポケットに偶然あった、バファリンに感謝する。
冷静になった私は、11192が今の西暦とかいう坊主を蛸殴りにする。
未完
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