荒川通り3丁目/リーフレイン
 
っ放しだった。
 九州から甥だと名乗る人が骨を迎えにきてくれた。ちょうど前の年にたまたま町内の組長を務めていたやっさんは、市の掛け捨て共済保険に入った。100万円が下りて。葬式はそれで賄えた。
やっさんが住んでいた部屋は、綺麗に清掃されて5千円家賃を下げて貸し出されている。 


口入屋
背戸の古い借家3軒は、40年来、口入屋がまとめて借りて使っている。
6畳二間と台所と風呂のついたそれぞれの平屋に、二人ずつ人が入っているらしいのだが、みな一様にこっそりと住み、破れたカーテンは破れたまま。ややもすれば雨戸も閉めたままだった。2台の古い乗用車が出たり入ったりしているので、ようやくいるの
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