タマトギ/不可思議/wonderboy
 
光を放つ
連なる輝き 一つ一つが
やがては一本の大河となる

今日も老人は魂を研ぐ
あらゆる風景が生死を説く
旅人は繰り返す毎日を問う
月や波が音を纏う
今日も老人は魂を研ぐ
嘘のない心が錆びぬようにと
旅人は繰り返す毎日を問う
膨大な時間に足すくまぬようにと
あらゆる風景に神様が居た頃
道具や厠にも神様が居た頃
儀式や祈りが意味を持っていた頃
目に見えぬものを信じていた頃
人々が自然を愛していた頃
人々が家族を愛していた頃
人々が恵みに感謝していた頃
誰にでも帰るべき居場所があった頃

ついに男は老婆に会う
幾重にも重なる光が取り巻く
無愛想が似合う
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