湿度の高い日常群/ゼロスケ
 

暑気に苦しむ僕らは宣言にしたがう
寝汗でびしょ濡れ シャツの一枚下
肌色の荒廃 混乱しきった道
乾いた血の塩害 開拓した末
やっと一輪 造花を摘むことができた
僕らのよすがだ 両手で包み込め

夢の中では蜩の鳴く夕景 精神の焦土だった
鉛のハンマーと首斬りスコップによって
敲き尽くし推し出して取り戻そうとする三三五五
闘うたびに少しずつほどけていく腕の包帯とギプス
生き残れたら放課後の教室で落ち合おう、と約束して。
この敗走の記憶は誰のものだったのだろう?

凶兆の夢…… 表情筋の激しい動揺によって目覚める
今まで夏を耐え切れば終わりだと思っていた
そんな易しくは
[次のページ]
戻る   Point(2)