ある夜の話/プル式
 
になっていきます
やっとこ綺麗なオレンジになる頃にはなんだか向こうの手が透ける程で
薄い
些の様でした
少し洗いすぎたかなとも思いましたがそれよりも一等の問題はどうやってこの夕空を
空に
貼付けるかです

棒で
押し上げて
みたり
空に向かってほうり投げても
みました

一向に届きませんので
仕方なく
その日は諦めて
物干し竿にかける事にしました

夕空はたいそうキラキラと輝きますので
これを肴に酒を飲むのも悪くないと台所から酒とスルメを持って前に座りました

キラキラと輝く夕空は
なぜだか郷愁と安心と
どこか見覚えのある様な顔をしながら風に揺れま
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