君の背中に追いつかない/秋桜優紀
に緩んだ。
断言する。その日、私は人生で最も多くの涙を流した。いくら泣いても泣き足りず、体中の水分を出しきったつもりでも、まだまだ足りない。初めて、涙は存外枯れないものなのだということも知った。
両親が病室にやって来ても、構わず泣いた。母が心配のあまり一緒になって泣き出しても、父が私を抱きすくめても、泣いた。泣いた。泣いた。
わかっている。私に泣く資格がないことも、泣くこと自体お門違いの話なのだということも。それでも止まらない。あらゆる感情が溶け出して、涙に混ざって流れていく。数時間もして、その大部分を占めている感情が何かに気付いた。
ずっとわかっていたこと。ずっとずっと、変わらずに思っ
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