君の背中に追いつかない/秋桜優紀
胸の痛みを一層掻き立てる。悠人といる間、私は本当に泣いてばかりだった。
それでも悠人は、私を励まそうと毎日病室に通った。自分が働きかけることが必ずしも良い結果を生むとは限らないことを知らない、あの純粋な瞳で一心に私を見つめてくる。
一時は私を救ったキラキラとした生へのベクトルは、今私が真っ直ぐに向かっている死へのベクトルと相まって、嫉妬や羨望が入り混じった、ドロドロとした暗い感情へと私を連れて行く。悠人を遺していってしまうかもしれない後ろめたさにも同時に襲われ、私の精神はこれ以上ないほど大きく揺らいだ。
そして私は遂に、
「もう、来ないで」
その日も両手一杯の折り紙を持ってやって来
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