狂えないというゴキゲンな現象の中で俺は歯ぎしりをする、そしてそれはお前だって同じだ/ホロウ・シカエルボク
 
彼の喉を息苦しくさせるのだ、私はいったい何の為に祈ってきたというのだろう…?牧師の悲しみを使用人たちは感じることが出来るが、それが自分たちが担いできた不具のせいだということには気付けない、棺を肩から下ろした時点で彼らの役目は終わっているのだ…なぜなら彼らは祈りの言葉を唱えることがないからだ…雷は鳴り響く、湿った黒い土を中空へ跳ね上げようと目論んでいるみたいに…葬送は終わり、躯だけがそこには残る、牧師は己の無力を終わることなく悔やんでいる…使用人たちはそんな牧師の為にどのような夕食を用意すればいいのか考えている、さて!テーブルに置いたお前の両手はすべての振動を阻止することが出来たのか?不具者の葬式は
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