狂えないというゴキゲンな現象の中で俺は歯ぎしりをする、そしてそれはお前だって同じだ/ホロウ・シカエルボク
外れて茂みの向こうに身を隠し、棺の釘を引き抜いてその中に潜むおぞましいものの容姿を目にしたことだろう
お前の感覚の奥底で悲鳴を上げたおぞましい感覚の吹きだまり、葬列の足音が報われぬテーブルの冷えた飲み物をわずかに振動させるとき、お前はそれが本当にその身に起こっている事柄なのだと悟る、気も狂わんほどの感覚…本当に怖いのは狂えないことなのだとお前ははっきりと悟る、脳天から肛門までを鮮烈な雷に貫かれたかのように、両の手のひらで身体を支え、お前はめまいを夢のようなものだと感じることに努める…狂えないのならば距離を置くより他に手は無い、お前はすぐにそんな方向に結論を求めてしまう…汚れた身体に食い込む腐臭の
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