狂えないというゴキゲンな現象の中で俺は歯ぎしりをする、そしてそれはお前だって同じだ/ホロウ・シカエルボク
せつけながらそれを知ることの意味を問うのだ、知りすぎて疲弊した予言者の、錆びたブリキのような色をしたその脳髄に…予言者は打ちひしがれてそれきり自分の爪先以外の景色を目に留めることは無かった…意味を失った彼の機能のすべては新しい年が来る前にすべて停止するだろう
棺を担ぐ教会の使用人は肩に食い込むそれの感触に違和感を覚える、単純な重みではないものが彼らの感覚を袋小路に向かわせるのだ、その日死んだものは当り前の生命など所有してはいなかった、迎えられたり送られたりするような、そんな…当たり前の生命など…言っただろう?秘密裏に執り行われる不具者の葬列だって…使用人たちは死体について深く知らされることは無い
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