瓦礫の上で行くあての無い祈りが始まる/ホロウ・シカエルボク
 
けたものを惑わせる、戻って来いと叫ぶ近しきもののようだ、汗を拭ったけれどそれは余計な不具合をいくつか増やしただけだった、イラついたところで俺の懐にはもはや撃つべき銃も無く、どこで落としてしまったのだろうと瓦礫の先を睨むも壊れたものの中にそれが隠れているはずもなかった、そもそもの成り立ちがまるで違うのだ、壊すためのものと壊れるためのものでは
次の銃弾を待つべきなのか?何も手は無かった、いつもそうだった気がする、思えばいつも手など無かった、丸腰でいながらそうじゃない振りをしていた、拳骨を食らわされても痛くないような振りをする、あるのはいつもそんな覚悟だけだったんだ、だけど、もう呪うことは無い、もう呪
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