グロ/チアーヌ
回っているようだった。一緒に見ていた俺の友達は、「グロ、グロ」なんて言いながら喜んでいたくらいだ。そうだ、ずいぶんグロだった。何しろ人間が茹で蛸みたいになっちゃうんだからな。
まぁ、そんなことをしていた俺が、こうやって低所得者用の施設で死ぬまで過ごせるだなんて幸せなことだと思う。
俺は鳥を捕っている男を見るのをやめて、手押し車に捕まり歩き出した。すると、いきなりゴツンと車椅子の男に衝突し、誰かの足を削ってしまった。その足は元々膝から下がなくて、ぶつかられた男はまるで笑っている様な変な顔で涎を垂らしながら何度も頷き続けていた。足からは血が流れていたが、それほど痛そうにも見えなかったので、
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