みじかい糸を編んでいる/ホロウ・シカエルボク
の間違いで
それははかなくちぎれていく
正解のないものに
間違いを悟る
寓話のような馬鹿さかげんよ
みじかい糸を編んでいる
みじかい糸を編んでいる
みじかい糸を
さようならとさりげなく口にする夜半の空気
編み上げる指に伝わる感触はいびつな言語が持つような不安定
もしか切るためにこの作業は行われているのだろうかと
疲れに震え出す指先を見つめながらしばし思案した
逆に向かって飛ぶことをひとは錯乱と呼びたがる
だけど多分ほんとうはそこには何もないんだ
糸の破片がひざ頭で
うんざりするほど無数の切り傷に酷似していても
みじかい糸を編んでいる
みじかい糸を編んでいる
みじ
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