半端な命は下水管で腐敗するんだ/ホロウ・シカエルボク
 
散らしてしまう、よかろう、汚れたものだ…もとより気持は固めてあるさ
ガラスを透かしたみたいな青空、しなる鞭のような一時間前の飛行機雲、流浪の大道芸人が大通りに落としていったエコーズ…カラフルなハットの中にやつは生きる術をすべて詰め込んでいた
火を噴くような羨望はいつしか薄れた、故郷の無い旅が苦なのか楽なのか判らなくなったから…もしも終着駅に辿り着いたらあいつはどこへ引き返すのだろう?いつまでたっても旅と言い切ることが出来ない彷徨いのようだ、そんな儚さを俺は受け入れられそうにないよ…ミネラル・ウォーターを買って口をゆすいだ、子供の笑い声が母親の怒号に代わる、その子がいつまでもそのことを忘れなかっ
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