永遠パーマ/m-rod
 
考回路は
誰かの正直な言葉さえ
ぐにゃぐにゃに曲げて届けたらしい
急に不安になって、幾人かに
「鍵は要りませんか」と聞いて回る
間に合ってます、とか
もう間に合いません、とか
答えはやっぱり複雑だった

だから唯一
鍵穴を見せてくれなかった人を訪ね
「鍵は要りませんか」と聞いてみる
彼女は手を差しのべて
指先で鍵をはじいた
残酷な事をするもんだ
そう思い、顔を上げると
意外にも満面の笑顔があった
「鍵はなくてもいいですよ」



そうして、僕は鍵を失くした



彼女は、僕の大嫌いな
「永遠」という言葉を使う人
適当なことを言いやがって
この
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