永遠パーマ/m-rod
この期に及んで
ぶつぶつと愚痴を言う
ちらっと見る その背中には
ぐにゃぐにゃだけど素直なパーマ
それは昔、出会ったころには
気づけなかったものだった
迷路みたいだけど
何も隠すことなく
道はたくさんあるけど
全部にちゃんと終わりがあって
知らぬ間に大人になったのに
まだ、子供みたいなにおいがした
おそるおそる告げる
「永遠なんて、分からないんだ」
そこは四角い白い部屋
鏡の中に移る鏡
テレビの中でさわぐテレビ
終わり無く続くものが
怖くて仕方ないから
迷うことで 迷ってることさえ
忘れようとしてたこと
結論は無いけど打ち明けて
無いはずの理由を求めた
顔を上げると 机の上に鍵
「何に見える?」と彼女が聞く
「鍵」と僕は答える
顔を上げると
そこにはやっぱり、満面の笑み
「これが一に見えるなら
それはそれで正しいよ
もしも永遠が怖いなら
迷うことも、怖いことも
ずっと延々でいいんじゃない?」
ひとつなら、次のドアは開かないから
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