ピーマンショック/木屋 亞万
 


そこに一人の女性が現れた
白い肌でラヴェンダーのタンクトップを着てる
小柄でスリムで黒いズボンが良く似合ってた
彼女が連れてた犬が大男の方へ行ってしまったんだ
慌てて彼女は犬を追いかけた
次の瞬間だよ、彼女は、犬とともに
スッパリと切られてしまった
上半身が僕の方へ飛んできて
彼女が僕に抱きつくように覆いかぶさってきた

彼女は首を下に傾げたまま動かなかった
当たり前だったんだ、上半身だけなんだから
死んでたんじゃないかと思う
でも、彼女の開いたままの目はとても美しくて
僕は誘われるように視界を下に落としてしまったんだ





 「そんなところで話
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