書くこと、まどろむこと、決めること/渡邉建志
う名前にカプセル化し、
あとは病人として、ほかの人にたかりながら生きていこう、とでもいうのか?
こんな出口のない思考を、もう何年続けているのか?
こうやって書けばなにかの糸口が見つかるかもしれない、と思いながら、いつまでも、いつまでも見つけられない。動くことからしか、始まらないのに。
踏み出すことからしか、始まらないのに。怖い。この怖さを。四本足で長年生きてきたわたしに、二本足のバランスで立つ怖さは、たぶん、もう、
克服できない。その能力は、もう、つかない。
いつだって、自分で決めるぐらいなら、死んだほうが楽だと思ったし、そのたびにまわりのせいに、人のせいにして生きてきて、自分の力
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