書くこと、まどろむこと、決めること/渡邉建志
がない。
すこし衝動を感じた後で、作ってみても、結局つまらないものしか現れなくて、満足ができないし、才能がないんだと思う。
だからといって、他の才能を探してみる気力もない。その曖昧な「感想」の世界、「夢」の世界に耽溺している。
それが作れないんだったら、いやだ、いやだ、と駄々をこねている。
それを諦めて、他の、もっとプラクティカルな仕事への適性を考えるとか、どうしてもできない。
つまり、それは、もう生きる気がない、ということではないのか。
「自分の人生」を生きる気がない。ならばすぐ自殺するわけでもない。
くらげのように、その境界をゆらいでいるだけで。
マティスのヴァンスの教会の
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