ひとつの読み方 仲程さんの『花火の夜(江戸川)』/クリ
か、です。本当にクリ個人の読み方ですから注意。
3行は、僕の中でこう書き換えられます。
君がきらびやかな、たくさんの恋愛と、たくさんの登場人物との巡り合いのすえ、誰かと同じベッドでぐっすり眠っている時刻
僕は、ちっぽけな執着だけを持って、独りぼっちで眠れずにいる
せめて都会の風景と騒音という、自分をつなぎとめるものに縋っていよう
多分、なかほどさんは「童貞のままで」という言葉を選ぶときにかなり逡巡したでしょう。
でも、「君」が一人ではないことを連想させるには、この言葉は必要だったでしょう。そのために必要だったのです。
そして次の行で、
一緒に花火を見ることもなか
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