ひとつの読み方 仲程さんの『花火の夜(江戸川)』/クリ
ですし、
こんなにゴチャゴチャしている町並みもないです。東京はモノクロームです。
「国際色」は、「喧騒」との対比で捉えると簡単です。「喧騒」が音のゴチャゴチャであったのなら、
「国際色」は「風景」のゴチャゴチャです。決して「国際色豊かな都会」ではありません。
ひょっとして「花火」から「極彩色」を連想したのかも知れませんが、ひとつ見逃していますね。
「僕」は花火を見てはいないのです。アパートの一室でひとりいるのです。花火は音だけ聞こえています。
「僕」は、花火を見には行けなかった/行かなかったのです。「君」がいないからでしょうか。
病は何か? 僕には「都会と"君"
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