ひとつの読み方 仲程さんの『花火の夜(江戸川)』/クリ
ービス」ですから(笑)。飛ばしても全然差し支えないし…。
『花火の夜(江戸川)』のコアになる部分はどこかというと、誰が読んでもここしかないのですが、
君が百本の小説を乗り越え眠るころ
僕は一握の詩の前で童貞のままで
(国際色の喧騒にしがみつきながらも
同じ月の夢に)
この2行(4行)だけです。あとは誘い水です。
サービスとして暗示されているのは、朔太郎と啄木です。啄木は、『一握の砂』という言葉だけ知っていれば済みますが、
萩原朔太郎に関しては、ちょっとだけ読んでいればとても素敵です。(合評でこのことに一言も言及されていないのも不思議ですが)
「悲しい遠景」と「猫」あ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(7)