ファミリー・コンピュータ/木屋 亞万
ていたたまれない
でも今、食卓へと足を踏み入れたくもない
父親が8時5分に家を出る
母親が9時20分に家を出るまで
誰がどのように起こしに来ようが
僕は起きるつもりはない(本当に体がだるいというのもある)
大声で何度か僕を呼び(頭が痛い)
身体を揺すぶっても駄目なら(お腹がグルグルと鳴る)
あきらめて、書置きを残して仕事に行くのだ(僕を育てるために、働いているらしい)
ようやくベッドから出て
食卓に向かう頃には9時半を過ぎていて
僕はそれから買い溜めしてある菓子パンを食べ
制服に着替えようか数十分迷った後
(授業中の教室に遅れて入っていくと、入る瞬間にみんなの視線
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)