幽食/ヨルノテガム
やり探したりして
真っ白な豆腐の一面が
遠近もなく
ただ只、空っぽのぽっぽ― に見えてきたら
幽霊やめようかしらと、抜けていってしまった
*
青い海を眼下に 渡り鳥の果てしない渡りを過ごしていると
何か物足りなく腹がすいてきたわ と感じ想い
豆腐にぶち当たった
豆腐は崩れることなく冷ややかにおすましして
わたしのイタダキマスを受け入れてくれた
口へ運び、おいしいわと言う用意も喉元まであったのに
さっぱり味がない。
角ばった立方体もあれれそのままに直角という直角を保っている
すぐに合点がいった、しょう油を垂らさなくちゃ、それとも
ポン酢? 鰹節のパラ
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