手遅れの迷いが映し出すものは/ホロウ・シカエルボク
 
まれたものだったから
目をそらすことも逃げ出すことも叶わなかった
機銃掃射のような
自分自身の罵倒を一身に浴びて
遅い朝に目覚めた時にはくたくたに疲弊していたのだった


洗顔をして
夜の間にこびりついた忌まわしいものを落としてから
水槽を覗きこんで乾いた餌をばら撒いた
魚たちは磁石に引かれる蹉跌のように集まって
穏やかなくちづけのように水に浮かぶそれを飲み込んでいった
彼らのうっとりと開くくちびるを見るたび
私はおかしくなってただただ涙を流した


眠りが足りないのです
誰をも阻むことが出来ない私のままで
私の過ちを隅々まで見定める為の時間が
受け止めきれな
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