手遅れの迷いが映し出すものは/ホロウ・シカエルボク
れないもののことが気になって
受け止めることが出来るはずのものまで取り落としてしまいます
眠りをくださいと願うことが正しいのかどうか判りません
私はきっと一度それを落としてしまっているのでしょうから
罪を感じさせない
小鳥が窓際で囀ります
彼らの声に続いて
ハミングをすることが出来たらどんなに楽しいことでしょうか
けれど私の不確かな
調整のとれない心のままでは
その声すら無様にかすれてしまうに違いありません
一人起き出しただけで空っぽになってしまう寝床
あそこに居たのはいったい何だったのか
きちがいのようになってどこまでも貪りあったのに
それがあったことすら夢のように思い出してしまうのは
結局のところ何も手にしてはいなかったのだろうか
ブラインドを開けると迷いの色が薄れてしまって
また、私の心は
夜まで
沈黙してしまうだけなのだ
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